省電力モデルにX2──選択の幅が広がった「AM3」CPUを一挙に試すイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2009年06月02日 13時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

「同クロックでコア数違い」「少ないコアで高クロック」の優劣は?

 Phenom II X4 905eと同じ動作クロックでコアが3つのPhenom II X3 705eや、3コアだが動作クロックが低いPhenom II X3 705eとデュアルコアでも高クロックなPhenom II X2 550など、いずれもベンチマークテストの結果が気になる組み合わせだ。

 CPU処理能力が反映されるベンチマークテストで、確かに705eは905eのちょうど4分の3に相当する結果になる。全体的に見れば、905eのスコアが705eより高いが、Sysmark 2007 Previewでは、4コアと3コアではっきりとした違いが生じたのはVideoCreationと3Dであって、残りの項目はわずかな差にとどまっている。利用するアプリケーションのマルチスレッド対応や、同時実行を行うアプリケーション数とコアの数の関係によって、ベンチマークテストの結果が大きく左右されることになる。

 Phenom II X3 705eとPhenom II X2 550のベンチマークテスト結果の比較でも興味深い傾向が見られた。SandraのCPU関連ベンチマークテストやCinebench 10のMultipleテストなどは、3コアのPhenom II X3 705eが優位であるが、Sysmark 2007 PrevireではPhenom II X2 550が705eを上回り、PCMark05とPCMark VantageでもX2 550がX3 705eを上回っている。もっとも、TDPを比べるとPhenom II X3 705eが低いわけで、それぞれに異なる局面でメリットがあるといえるだろう。

 動作クロックが3.1GHzと3.0GHzとほぼ同じなPhenom II X2 550とAthlon II X2を比較すると、3次キャッシュメモリの有無、メモリ帯域幅の違いなどから、テスト結果がだいぶ変わる。動作クロックが影響しやすいSandraベンチマークテストでは、Phenom II X2 550がCPU関連テストで3%程度、メモリ帯域幅テストで6%程度上回る。しかし、ほかのベンチマークテストではそれ以上に差が開いている(Sysmark 2007 PrevireやPCMark Vantageでは10%程度)。

 消費電力では、TDPが80ワットのPhenom II X2 550よりTDPが65ワットのPhenom II X4 905eが一番高い結果となった。コア数が多いことが影響しているのかもしれない。消費電力で優れた特性を示していたのがAthlon II X2 250だ。TDPは65ワットで、Phenom II X3 705eと同様という結果が出ている。


 今回の4モデル発表によって、AM3対応CPUのラインアップは倍増した。各ユーザーが考える自作PCのプランに沿った製品が選べる環境が整いつつある。特にTDPが65ワットの3製品は、省電力志向のユーザーにとって注目できるモデルだろう。

 価格を見ると、Phenom II X4 905eが2万1000円前後、Phenom II X3 705eが1万3000円前後、Phenom II X2 550が1万1000円前後、Athlon II X2 250が9500円前後になる。Phenom II X4 905eは4コアで低消費電力ということもあってやや高いが、Phenom II X3以下の製品は1万円前後で、それぞれの価格差が2000円前後と選びやすい。特にAthlon II X2 250のように1万円以下のCPUがAM3向けに登場することで、これまでAM3プラットフォームにあった割高感もいくぶん解消できるのではないだろうか。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月16日 更新
  1. 使って分かったM4チップ搭載「iPad Pro」のパワフルさ 処理性能とApple Pencil Pro/Ultra Retina XDRディスプレイ/新Magic Keyboardを冷静に評価する (2024年05月14日)
  2. 新型「iPad Pro」が見せる未来の夢と「iPad Air」が見せたバランス感覚 実機を試して分かったiPad購入ガイド (2024年05月14日)
  3. FMVの富士通クライアントコンピューティングが2種類の周辺機器を発売 「27型ワイド4Kディスプレイ」と「ワイヤレス静音キーボード」 (2024年05月14日)
  4. キヤノンMJ、PCレスでのスキャンやデータ送信も可能なネットワークスキャナー「ScanFront 400II」 (2024年05月14日)
  5. AMDが内蔵グラフィックス非搭載の「Ryzen 7 8700F」など2製品を発表 (2024年05月15日)
  6. ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら (2024年05月14日)
  7. Arloブランドの「Essential屋内用カメラ(第2世代)」を試す Ringの屋内カメラとの違いは? (2024年05月15日)
  8. OpenAIが新AIモデル「GPT-4o」を発表 (2024年05月14日)
  9. ASUSが「新しいAI PC」を5月21日午前3時(日本時間)に発表 Snapdragon X搭載? (2024年05月13日)
  10. 「Meta Quest 2/3」にトラベルモードが追加 もう飛行機内でメニューが吹っ飛ばない (2024年05月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー